陶磁器
買取日:2023/04/25
買取実績 山本雄一 備前焼 徳利 お買取りさせて...
買取価格¥5,000円
本日は山本雄一作の備前焼徳利をお買取りさせて頂きました。
美術品、工芸品の販売価格はあってないようなものです。
そう言ってしまうと極論ですが、例えば工業製品、自動車を1台作る原価とはおいくらでしょうか。
ひと昔前ですが、軽自動車の工場出荷原価は37万円と聞いたことがあります。
大卒平均初任給のおよそ2倍弱と言ったところです。そうなると、稼働日22日×2か月=44日新卒者が働けば軽自動車1台が作れるということになります(あくまで計算上です)。
例えば、大きな油彩の絵。畳2畳分はあろうかという写実画があるとします。当然いいお値段がします。
200万円で販売されています。
高いですね。
しかしながらこの絵、構想5年描画に1年掛かっています。製作者の苦悩が偲ばれます。
大卒初任給が約20万円として、1年働くと200万円です。ボーナスを入れたらもう少し増えると思います。
では描画に1年掛かった2畳のこの絵と、大卒新卒者の1年の労働は果たして等価値でしょうか。
もっと言えば、この2畳の絵は軽自動車5台分以上の価値があるのでしょうか。
芸術は工業製品とは違います。もちろんです。
時給換算すれば、絵を描くなど道楽以外の何物でもありません。
絵を描いても野菜は育たずビルは建たず車も走りません。
しかしながら200万円の絵を買う人がいます。この絵に感銘を受けた人と、投資目的の人の二通りです。
投資目的では、10年後にこの絵が2000万円になるかもしれません(あくまで想像です:しかしながら実際に起こっている現象です)。
そうなると、構想5年描画1年の絵が20年後に1800万円の付加価値を生み出したことになります。
繰り返しますが、この絵は野菜を育てていませんしビルも建ててなく、車も走らせていません。
その10年で新卒者は中堅のサラリーマンになりましたが、年収はおそらく2000万円はいかないでしょう。450万円になれば万々歳と思います。
軽自動車の原価は上がったと思いますが、60万円くらいでしょうか。
芸術とは値段があってないようなものです。
逆に200万円で売り出した絵がギャラリーでほこりをかぶり、ギャラリーの閉店とともに産業廃棄物になるかも知れません。
1年間苦労して描画したその原価200万円は消えてしまいました。
そんなことも起こりえるのが芸術品、美術品です。
つまるところ、ブランドと同じく芸術品は皆がそう思うからその価値が付与されているのです。
あくまで我々鑑定士は、世間一般の相場に合わせて金額でご提示しております。
どうか、金額はあくまで目安にすぎず、その本当の価値は価格では測れないことをご理解ください。
その物を見る人によってそのものの価値は変わります。
ただそうは言っても無限大と言うわけにもいきませんので、現在での価値を金額に置き換えてご提示させて頂いてます。
価値のわからないもの、不明なお品物はどうぞお気軽に当店へお持ちください。